ハードウェアに見つかった「余計なもの」って何?HUAWEI製品に関する一般消費者への影響は?~HUAWEI禁止の世界情勢その3

 2018年12月11日記

前回の記事では「中国製造2025」「NDAA2019」という2つのキーワードから、いよいよ動き出したHUAWEI包囲網について時系列的にまとめてみました。

▽前回の記事(HUAWEI禁止の世界情勢 その2)

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▽その1はこちら

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「その1」で記したまとめから紐解くと、、、

①様々な疑惑があるが、情報抜き取りに関する確たる証拠は見つかっていない。

②中国には、超法規的な(一党独裁が既に超法規的ですが)法律がある。

③中華製通信機器を個人が使う分には、現時点では問題はないと考えている。

④ゆえに、今後も新製品で魅力的な端末が出れば取り扱いたいと思っている。

⑤しかし、今後日本政府が個人の使用を禁止とするならば、もちろんそれに従う。

 

まず、上記①に関連して今回の逮捕は「反米的なイランとの違法取引」によるもので、中国は人権侵害から即時釈放を訴えています。

⑤について、日本政府が決定したとされる今回の方針は「各省庁や自衛隊が使用する情報通信機器からHUAWEIとZTEを除外するよう、各省庁の調達内規を更新する」というもので、米国の「NDAA2019」をひとつの到達点とするならば、いよいよというかようやくというか、日本政府もその緒に就いたイメージです。

 

そうこうしているうちに、与党関係者が「政府がHUAWEI製品を分解したところ、ハードウェアに“余計なもの”が見つかった」とコメントしたそうで、、、 headlines.yahoo.co.jp

おい、おい正気かよ!!!

と単純に思ってしまいました(苦笑)天下のアメリカ様が血眼になって探していた「情報漏洩・情報抜き取り」に関するハードウェア的な証拠が見つかったのだとするならば、純粋に「日本政府スゲぇー!」と思います。

(日本仕様のスマホのみに入っていたのかなぁ?その“余計なもの”って)

 

個人的に「嫌だなぁ」と思うこと、もっというと「避けるべき」と思うことは、ひとつのセンセーショナルなニュースや噂が出ると、無思考にそれに飛びつき、一方的に決めつけ、一方通行に流れて行ってしまう人々が大勢いることです。

それが「大衆」というものかもしれませんが、愉快犯的な人たちが多いということも含め、こういう時こそ冷静に、自分で咀嚼して物事を考える必要があるのだと思います。

「ニュースでこんなこと言ってた!さぁ、大変だ!!」の伝言ゲームをしてたいのでは、ヒステリックな負の状態にこそなれ、何の価値も生み出さないのです。

 

そして、与党関係者は「ハードウェアに見つかった“余計なもの”」が何なのか、速やかに開示すべきです。

 

私はHUAWEI端末とZTE端末をそれぞれ使っていますが、サブサブ的な用途であり、大した情報を登録していないので参考になりませんが、昨年HUAWEIのMate10Proを購入して、約1年間メイン端末として使ってきた友人が、何らかの被害を受けたか、実害があったかというと、当然ですが何もなく、便利に使えているそうです。

では、私がこの流れを楽観しているかというと、そういう訳でもありません。

前回の記事で予告的に使った画像、今年11月6日の私の呟きを解説すると、、、f:id:hyzuki:20181207133418j:plain

これは、北京在住の作家・谷崎光さんがダイヤモンド・オンラインに寄稿されている記事がとてもリアルで面白かったので、ご紹介方々呟いたものです。

diamond.jp

 

しかし、当該記事はなぜか既に削除されているようで、、、

https://diamond.jp/articles/-/184568

f:id:hyzuki:20181207142405j:plain

アクセス不可になっています。(移動されている可能性あり)

なんでアクセス不可(恐らく削除)となっているか知る由もありませんが、記事の主旨としては安倍首相の7年ぶりの訪中に関する現地の息遣いを伝えるものでした。

 

追記:ご本人から回答頂きましたm(__)m

書籍化予定があり、谷崎さん自ら削除依頼されたようです。追記ここまで。

 

私が注目したのは「安倍首相が中国でどんな扱いを受けた」のかではなく、「中国国内での通信事情」に関する部分で、上記呟きの通り、安倍首相訪中に前後して「谷崎さんのスマホのOSが勝手に自動更新」されたり、ソフト的にあるいはハード的に通信障害がおこったりする内容を、谷崎さんは「いつものこと」としながら「でも(安倍首相訪中期間に限って)いつもより激しい」というように、面白く、しかも客観的に記事にされていた点です。

中国当局によるネット検閲は有名ですが「スマホの操作までやるんだね」と私の感想も谷崎さんと同じく「中国こえー」となって、上記のようにつぶやきました。

北京在住の谷崎さんにとって、当局によるスマホハックは日常的になっているようですが、それでも尚(だからこそと言うべきか)「中国こえー」という感慨が浮かんでくるようです。

本当に記事が読めなくなったのはもったいない。全部コピペしておけばよかった。 

本当は怖い 中国発イノベーションの正体

本当は怖い 中国発イノベーションの正体

 

 

つまり、日本で流通している端末に(スマホなのかルーターなのか基盤なのかは知らねども)、ハードウェア的な余計なものが見つかるか見つからないかに拘わらず、少なくとも中国国内においては「当局によるスマホ乗っ取りが事実上起きている」証左になると思います。

 

政府がHUAWEI及びZTE製品を調達せず、キャリアも基地局や基盤として使わない方向になりつつあるのは、同盟国盟主からのお達しを待つまでもなく、当然の帰結というのが私の考えです。

安全保障上という観点から、こと通信設備に関しては、なるべく自前(国内製品)でまかなうべきです。もちろんそれは日本政府当局が、中国のように自国内端末をハックできる余地を生む可能性を含んでいますが、他国にやられるよりまだまし、何倍も良いでしょう。HUAWEIに任せるよりコストも高くなると思いますし、技術的な遅れも出ると思いますが、安全保障の為のコストはある程度負担すべきだと思っています。

 

それでは、一般消費者は?

日本政府が大々的に禁止を掲げることは難しいと思っていますが、こういう流れが出来上がってしまった以上、HUAWEI及びZTE製品は徐々にマーケットからの退場を余儀なくされるでしょう。

 

禁止する、しないに拘わらず「個人が使うのにも危険なもの」と消費者が思えば、いかにコスパが高くても、使う人は減っていくはずです。

そう考えれば「与党関係者の“余計なもの”発言」は実に効果的なバルーンでした。

 

私としては「自国の通信網は出来る限りオールジャパンでまかなう」事を前提としつつ、引き続き個人に限れば中華製端末を扱う自由があっていいと思っています。

 

国家の安全保障については「疑わしきは排除」

個人の利用制限については「推定無罪」

というダブルスタンダードは容認されるべきだというのが私の考えで、 

仮に日本政府が米国並みに「HUAWEI及びZTE製品の一般販売中止」まで突っ込んできた場合でも、混乱を最小限に留めるべく「現時点で使っている製品はそのままとしつつ、新製品の発売は禁止する」方向になるのではないか、というのが私の現時点での見立てです。

 

昨日のYouTubeライブでもこの件について、視聴者さんと意見交換しました。 

youtu.be

 

報復逮捕なる言葉まで飛び交い、米国の経営者や要人は訪中をキャンセルしているそうです。引き続きこの話題についてはWatchしていきたいと思います。

 

では、また!

 

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