NHKスペシャル「ファーウェイショック」を見て思ったこと。

2020年1月20日記

ハイ、Zukiです!

本日は20時半からYouTubeLiveを配信する予定で、その題材について下書きがてら思ったことをつらつらと書き綴りたいと思います。

題材は昨夜NHKで放送されたTV番組「NHKスペシャル~ファーウェイショック」について。

どんな番組だったかは下のリンクからどうぞ。

www6.nhk.or.jp

引用させて頂くと・・・

今年、世界各地で本格的な運用が始まる次世代の通信規格「5G」。「5Gを制する者は世界を制す」とも言われるほど、今後の経済成長だけでなく、安全保障をも左右するといわれている技術だ。
今、この5Gで、世界を席捲するのは、中国の通信機器メーカー「ファーウェイ」だ。今回、NHKでは、ファーウェイの世界進出の動きに密着。そこから見えてきたのは、莫大な資金を投じて開発した最先端技術と、壮大な世界戦略だった。しかし、そのファーウェイの前に、立ちはだかったのが、アメリカだ。トランプ政権は、安全保障を脅かすとして、各国にファーウェイの排除を求め、各地で「ファーウェイショック」を巻き起こしているのだ。その攻防の最前線は、今、ヨーロッパにまで広がり、中でも、経済大国・ドイツでは、「受け入れ」か「排除」かで大きく揺れている。果たして、世界はどのような選択をするのか?番組では、各地で繰り広げられる攻防の舞台裏と、ファーウェイショックの正体に迫る。

と、NHKがファーウェイショックとは何か?に迫った内容です。

尚、本題からずれますが著作権や著作物に厳格過ぎて、引用権を誤解されている方も多いので引用権に関する弁護士さんの見解もリンクしておきます。

www.ishioroshi.com

 

①主題は何か

ドキュメンタリーにしても、ドラマにしても視聴して思うことは、まず「主題は何か?」ということです。ドキュメンタリーの場合、問題提起という側面が強いですが、それでも著作権者・編集者の伝えたい事は前提条件としてあるはずです。

そして、今回の主役であり悪者扱いされがちな「HUAWEI」がなぜこの取材を許可したかという点。つまり取材を受けた側の意図も重要です。

まず、主題としては

・「自由主義及び自由経済=繁栄」という図式が崩れつつあること。

・「一党独裁国家」による肩入れにより、一企業が上記図式を変えようとしている。

ということだと私は感じました。

※最早但し書きを書くのも面倒ですが、このブログは私の個人的な感想を未来の私に向けて書き記す「備忘録」です。ご一読頂いた方それぞれが違う感想を持たれるのは当然だと思います。なので「反論」は無用です。「私はこう思った」という「ご意見」は大歓迎です。

 

取材を受けたHUAWEI側の意図としては「開かれた企業」であることを知ってもらうための「イメージアップ」にあると感じました。 

この点について、私が目にする限りTwitterなどのSNSを例にとると、この番組の内容に関してHUAWEIを非難している方よりも、擁護している方を多く見かけます。その限りにおいてはHUAWEIが意図したようなイメージアップにはつながらなかったと言えます。

※私は常に「信者もアンチもクソくらえ」と公言していますが、背反する両者を一からげにするのは、ひとつのモノや事象で相反する信者やアンチは、ベクトルとしては同じ方向を向いていると感じるからです。つまり何かについて「盲目的に肩入れしたり非難する」という事です。物事を「客観的」にではなく、自分が信じたり信じないものに「盲目的」であるという点で、ベクトルは同じです。そしてもう一つ、「盲目的」になった彼らは「ヒステリック」でもあります。

 

私はイデオロギー対決の時代に生きてきました、即ち米ソ冷戦時代です。

その価値観の対決の中で、無駄が多く貧富の差を生む「自由主義」こそ「繁栄・発展」に繋がる正義であり、計画的で貧富の格差を生じさせない「共産主義」は「賄賂・自堕落」を生む悪とカテゴライズされてきました。そして結果として「自由主義」の勝利という形になりました。

ただ、それらは夫々の陣営からみた正義と悪であって、実際には「正義と正義」の対決です。そのことはその後の自由主義経済の行き詰まりが示している事でもあります。

そんな中、台頭してきたのが「経済は自由主義・政治は独裁主義」という中国です。

経済的には計画的に物事を進めるよりも、ある程度自由に競争させた方が発展する。この謂わば20世紀に人類が得た真理を基に「その自由な競争を独裁的に管理」して発展してきたのが中国であり、共産党であると考えます。

 

②21世紀時代の植民地政策

番組内でHUAWEIの幹部は折に触れ、自社と「国家=共産党」との繋がりが無い事を言及しています。しかし、中国の高官は「HUAWEIを外せば中国政府は黙っていない」と釘を刺します(この箇所について番組内では「伝聞」でしたが・・・)。

また番組はHUAWEIが本社のある深圳で実証実験をしている「スマートシティ」を紹介しつつ、その構想をドイツのデュースブルク市が導入しようとする中で生じる様々な軋轢からこの問題を紐解こうとしていました。

製鉄が主な産業であった同市は、その産業の衰退と共に経済的に行き詰まりつつあり、そこに手を差し伸べたのが中国及びHUAWEIという図式です。中国の大戦略である「一帯一路」政策の西側の最終拠点を同市とし、中国からの投資を加速させるという話です。

ja.wikipedia.org

 

これについて私はこの稿の表題の通り「新たな植民地政策」だと捉えました。

領土を軍事や政治的に支配する「植民地」ではなく、「生活インフラ基盤」を支配することで、その地域を支配する中国企業が必要となる植民地化政策です。「支配」というと少し過激かもしれません。「影響力」と言った方が無難でしょうが、その実は同じ事と感じます。

座して経済的困窮を待つか、自由や影響力を他に譲っても経済的発展を獲るか。この問題の縮図がそこにあると感じました。

 

③アメリカか中国か

自由の国アメリカ合衆国か、独裁国家中国か。この問題を突き詰めるとそう模式化できます。

しかし、我々はアメリカが絶対的な正義ではないことをこれまでの経験で知っています。

番組内でアメリカのセキュリティ企業が「HUAWEIの通信機器にソフト的なバックドアが仕込まれている」ことに言及します。これは恐らく事実なのでしょうが、一方で世論を反HUAWEI、そして反中国に結び付けたいとするアメリカ政府の意向も見え隠れします。

そのアメリカも、インフラが整わない小都市では、HUAWEI機器が使えなくなるとにより通信難民が増えるという事実が突き付けられています。

 

④安全保障という最小公倍数

この問題は「米中貿易戦争」だけではなく、より深刻な「安全保障」の問題であることを示唆します。

そして「5G」という人類をより豊かにする便利なインフラも、運用する側次第で悪用されるリスクがある事も考えなくてはなりません。

「便利で安全であれば、プライバシーなんていらない」犯罪が25%減ったという深圳のスマートシティの住みやすさを語る、恐らく一般市民の声です。

 

Huawei側に立てば推定無罪の原則を主張できます。つまり無い事を証明する事はできない、と。これについては同情しますが、かといって「今までそういうことはなかった」という事実は「これまでもそういうことはない」と未来を担保するものではありません。

 

他より3割安くて技術も優れている。一党独裁国家のバックアップを受けた企業が求める見返りとは何なのか?

 

何を「自由」とするかは人それぞれだと思います。ただ一点、私が感じる政治的自由とは「為政者つまり権力者の悪口が大っぴらに言える社会」です。

5Gにより監視された社会で、その自由が担保されるのかこれは運用側にゆだねられるはずです。そして重要な社会インフラに替えが効かなくなったとき何が起こるのか・・・

 

というところまでまとめてタイムアップになりました。

この問題はもう少し深く考え別稿でまとめたいと思います。

とりあえず本稿まとめの備忘録。

・自由主義が万能で優秀だと思われた時代はとうに去った

・独裁国家の肩入れにより市場を寡占化する企業の誕生

・インフラ整備と投資という新たなる植民地政策

・民主主義の制度的欠陥だけ捉え、その意義を考えない人が多いことへの恐怖

 

YouTubeLiveの模様はこちらからどうぞ↓

https://youtu.be/BeQgX95JiVg

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最後までお読み頂きありがとうございました!では、また!

 

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